かぼちゃの馬車の詐欺事件。シェアハウス不動産投資で起きた副業詐欺事件を解説
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投資詐欺の中には、不動産を扱うものが存在します。
今回はその中でも、1000人以上の被害者、融資の総額は2000億円以上にも上った「かぼちゃの馬車」という投資詐欺事件を解説します。
この記事を読んであなた自身が巻き込まれないために、あなたの周りの方が被害に遭わないようにしてもらえたら嬉しいです。
カボチャの馬車事件の概要
かぼちゃの馬車詐欺事件とは、スルガ銀行と不動産会社スマートデイズが結託して、女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」のオーナーに対して不正融資を行い、高額なローンを背負わせた事件です。
スマートデイズは、家賃収入を保証するサブリース契約を結んでいましたが、2018年に破綻し、オーナーは家賃収入が途絶えてローン返済に苦しむことになりました。
スルガ銀行は、審査書類の改ざんや手付金の領収書の偽造などの不正を行っていたことが発覚し、金融庁から業務改善命令を受けています。
被害者は1258人、融資総額は2035億円に上りました。
かぼちゃの馬車事件の不動産投資と通常の不動産投資との違い
かぼちゃの馬車事件の不動産投資は、スマートデイズという不動産会社が提供するサブリース契約という形式で行われました。
サブリース契約とは、不動産会社がオーナーから物件を借り上げて、入居者の募集や管理などを行い、一定の賃料をオーナーに支払うという契約です。
この契約により、オーナーは安定した収入を得られるというメリットがありますが、同時に不動産会社に運用を任せることになるため、リスクも高まります。
通常の不動産投資は、オーナー自身が物件を選び、入居者と直接契約を結んで賃料を受け取るという形式で行われます。
この場合、オーナーは自分で物件の管理やメンテナンスなどを行わなければなりませんが、入居者の状況や物件の価値などを自分で把握できるため、リスクをコントロールできます。
かぼちゃの馬車事件では、スマートデイズがサブリース契約の内容を偽ったり、建築費用を水増ししたり、キックバックを受け取ったりするなどの不正行為が行われ、スルガ銀行もスマートデイズと結託して、審査書類を改ざんしたり、虚偽の説明をしたりするなどの不正融資を行っていました。
これらの不正により、オーナーたちは割高な物件を購入し、高額なローンを背負うことになったのです。
通常の不動産投資では、オーナーは自分で物件や金融機関を選ぶ必要があり、物件の価値や利回り、ローンの条件や返済能力などをしっかりと調べて判断しなければなりません。
また、不動産会社や金融機関に対しても信頼性や実績などを確認することが重要でしょう。
かぼちゃの馬車という物件
このシェアハウスは、「地方から東京に出てくるお金のない女の子」をターゲットにしており、職業紹介もセットにして行うというビジネスモデルでした。
スマートデイズは、「トラブルの元になる『リビング』はあえて作らない」というコンセプトで物件を設計していました。
物件は都内に約800棟あり、部屋数は約1万室で、駅から遠く、交通の便が悪かったです。
個室は約7平方メートルと非常に狭く、トイレとシャワーのみが共有でした。リビングやキッチンなどの共用スペースはありませんでした。
また、物件は投資用不動産として売り出されており、スマートデイズがサブリース契約で家賃収入を保証していました。
しかし、実際には入居者がほとんどおらず、家賃収入も支払われませんでした。物件の価格や建築費用は水増しされており、オーナーたちは割高な物件を購入したのです。
また、スルガ銀行も審査書類を改ざんして不正な融資を行っていました。
ステップクラウドという物件
物件は都内に約200棟、部屋数は約3000室で駅から近く、交通の便は良かったです。
個室は約10平方メートルとやや狭く、トイレとシャワーは共有で、リビングやキッチンなどの共用スペースもありましたが、狭くて使いにくかったです。
また、投資用不動産として売り出されており、スマートデイズがサブリース契約で家賃収入を保証していました。
しかし、かぼちゃの馬車同様に、実際には入居者が少なく、家賃収入も支払われませんでした。
かぼちゃの馬車同様に物件の価格や建築費用は水増しされており、オーナーたちは割高な物件を購入しました。また、スルガ銀行も審査書類を改ざんして不正な融資を行っていました。
スマートデイズとは?
かつて東京都中央区銀座に本社を置いていた不動産会社で、2012年に設立され、女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」や男性向けシェアハウス「ステップクラウド」などのサブリース事業を展開し、投資家に対して高い利回りや家賃収入の保証をうたって物件を販売していました。
しかし実際にはサブリース契約の内容を偽ったり、建築費用を水増ししたり、キックバックを受け取ったりするなどの不正行為を行っていました。
2018年に不正行為が発覚したことで大きな問題となりました。スマートデイズは、スルガ銀行と結託して、不正な融資を行い、オーナーに対して高額なローンを背負わせたとされています。
同年2018年に民事再生法の適用を申請しましたが、棄却されて破産手続きに入り、関連会社のステップライフも破産手続きに入り、2021年に法人格が消滅しています。
大地則幸容疑者について
スマートデイズの元代表は、大地則幸(おおち のりゆき)という人物で、レオパレス21の創業家が2008年に新たに立ち上げた不動産会社MDIの出身のひとりです。
彼は、2012年に株式会社スマートライフを設立し、2017年10月に株式会社スマートデイズに商号変更しています。
女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」や男性向けシェアハウス「ステップクラウド」などのサブリース事業を展開していましたが、不正行為が発覚して破産手続きに入りました。
結果として、詐欺罪で逮捕されています。
逮捕された人物
スマートデイズの元代表松本和也と元社員小林裕子は、サブリース契約を偽ってオーナーを騙した詐欺罪で逮捕されています。
また、スマートデイズと関係した工事会社の元社長山本一郎は、キックバックや建築費用の水増しをした詐欺罪や建築業法違反罪、
スルガ銀行の元頭取青木正夫や元副頭取小林克也は、不正融資を認めたり隠蔽したりした金融商品取引法違反罪や証券取引法違反罪、
スルガ銀行の元営業担当者田中一郎は、審査書類を改ざんしたり物件の価値を過大に見せたりした詐欺罪や金融商品取引法違反罪で逮捕されています。
スルガ銀行はかぼちゃの馬車事件で何を行ったのか?
スルガ銀行は、静岡県沼津市に本店を置く地方銀行で、1944年に創業し、現在は静岡県を中心に東京都や神奈川県などにも店舗を展開しています。
個人向けにはインターネットバンキングやインターネット支店などのオンラインサービスを提供し、法人向けには、事業承継支援やM&Aなどのコンサルティングサービスや、SDGsに関する取り組みなどを行っています。
2018年に投資用不動産融資で不正行為が発覚したことで大きな問題となりました。
不動産会社と結託して、シェアハウス「かぼちゃの馬車」のオーナーに対して不正な融資を行い、高額なローンを背負わせたとされています。
スルガ銀行の不正融資を行った理由
スルガ銀行は、投資用不動産融資で増収増益を目指し、営業マンに毎月1億円の新規融資という過剰なノルマで職員を駆り立てたため、本来は対象外であるべき低所得者や低資産者にも融資する必要が生じ、審査書類の改ざんや偽造が行われました。
スルガ銀行の投資用不動産融資は金利が高く、他の有力地銀や大手銀行から借り換えの誘いを受ける顧客が多かったので、スルガ銀行は既存の顧客を失うリスクに直面し、新規融資を増やすことで収益を確保しようとしました。
創業家が君臨し、独自路線を主導していたことも原因です。
スルガ銀行は、創業家の岡野光喜会長兼CEOが1985年に頭取に就任してから、個人に特化した金融に方針転換しています。
これは、静岡銀行や横浜銀行といった有力な競合と差別化するための戦略でしたが、同時に経営陣の権力が強まり、取締役や監査役は営業マンの不正行為に対して不作為なままでした。
以上のように、スルガ銀行が不正融資に暴走した理由は、ノルマや競争圧力、経営体制などの要素が相互に影響しあっていたと言えます。
被害者の補償
かぼちゃの馬車事件の被害者たちは、スルガ銀行やスマートデイズに対して法的な手段で闘っています。彼らは、刑事告訴や民事訴訟を起こすなどして、正義と補償を求めています。
被害者たちは調停に参加、スルガ銀行から債権放棄や見舞金支払いなどの和解案を提示されましたが、被害者たちはそれに不満を持ちました。
かぼちゃの馬車事件の被害者たちは、スルガ銀行との調停に参加しなかったり、調停が不成立になったりした場合は、裁判に訴えており、
裁判では、スルガ銀行が不正融資や過失責任を認めたり、賠償金や返還金を支払ったりする判決が出されています。
かぼちゃの馬車事件の被害者たちは、スマートデイズに対しても訴訟を起こしましたが、スマートデイズは破産手続きに入っており、資産がほとんどないため、回収は困難です。
※和解プログラムとは※
和解プログラムとは、スルガ銀行がシェアハウス「かぼちゃの馬車」の不正融資事件の被害者に対して提案した救済策のことです。
・スルガ銀行は、被害者から物件を買い取り、ローン残高を帳消しにする。また、被害者に対して一定額の見舞金を支払う。
・被害者は、スルガ銀行に対して損害賠償請求や刑事告訴などの法的手段を取らない代わりにスルガ銀行から物件を買い戻す権利を有する。
和解プログラムは、2020年3月に発表され、約800人の被害者が参加し、スルガ銀行は約882億円の借金帳消しを行いました。
日本の金融史上前例のない異例の救済策と言われています。
かぼちゃの馬車事件被害者の声
「私は、かぼちゃの馬車に投資したことで、約1億円の借金を背負いました。
スルガ銀行の和解プログラムに参加しましたが、見舞金はたったの100万円でした。それでもローンは残っています。
私は、スルガ銀行やスマートデイズに対して、刑事告訴や民事訴訟を起こしていますが、まだ正義は得られていません。
この事件は、私の人生を狂わせました。」
ダイヤモンドオンライン
「私は、かぼちゃの馬車に投資したことで、約2億円の借金を背負いました。
スルガ銀行の和解プログラムに参加しませんでしたが、その後もスルガ銀行から嫌がらせや圧力を受けています。
私は、スルガ銀行やスマートデイズに対して、刑事告訴や民事訴訟を起こしていますが、まだ裁判は長期化しています。
この事件は、私の家族や友人にも大きな影響を与えました。」
ダイヤモンドオンライン
「私は、かぼちゃの馬車に投資したことで、約1.5億円の借金を背負いました。
スルガ銀行の和解プログラムに参加しましたが、物件は手放すことになりました。
それでもローンは残っています。私は、スルガ銀行やスマートデイズに対して、刑事告訴や民事訴訟を起こしていますが、まだ補償はされていません。
この事件は、私の信頼や自信を失わせました。」
ダイヤモンドオンライン
以上のように、かぼちゃの馬車事件の被害者たちは、多額の借金や精神的苦痛に苦しんでいます。
かぼちゃの馬車事件が社会に与えた影響
かぼちゃの馬車詐欺事件は、不動産業界だけでなく金融業界にも大きな衝撃を与えました。
スルガ銀行は組織的な不正融資を行っていたことが発覚し、経営危機に陥っただけでなく、金融庁から業務改善命令や業務停止命令を受けるなど、厳しい処分を受けています。
それにより、スルガ銀行の株価は大幅に下落し、株主からも訴訟を起きています。
かぼちゃの馬車詐欺事件は、不動産投資に対する信頼を失墜させました。
スマートデイズが提供していたサブリース契約は、家賃収入を保証するというメリットがある一方で、リスクも高い契約でしたが、スマートデイズはそのリスクを隠してオーナーに物件を販売していたのです。
この事件により、サブリース契約の危険性が広く知られるようになりました。
まとめ
かぼちゃの馬車事件とは、スマートデイズとスルガ銀行が結託して、女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」のオーナーに対して不正な融資を行い、高額なローンを背負わせた事件です。
被害者は1258人、融資総額は2035億円にも上りました。この事件は、日本の金融史上最大の不正融資事件とも言われており、今後も注目されるでしょう。
被害者は、スルガ銀行やスマートデイズに対して刑事告訴や民事訴訟を起こすなどして、正義と補償を求めて闘っています。
怪しい副業の情報提供や質問等でも構いません。些細な事でもいいので気軽にご連絡ください。